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ある朝食時、その方のベッド横で、スプーンでゼリーのおかずを口元に運んでいると、居室の入口から様子を見ていた先輩ヘルパーが、私の近くに来て
「食事介助が遅い。もっと

早くできないの？」
とイライラした様子で注意し、立ち去って行きました。

なんとか食事介助を終え、トレイをさげてから、その女性のベッドまで戻り

「嫌な思いをさせて、ごめんなさい」
とお詫びすると、女性は、ちょいちょい、と手招きし私に
「大変だけど、あの人を立てて、上手にやりなさいね」
とおっしゃったのです。

寝返りも゙うてない状態なのに、先ほどのヘルパー２人のやりとりから、関係性を読み取り、励まそうとしてくださったことに、私は驚き、笑ってしまいました。
「ありがとう。気を使ってもらって」
とお礼すると、ニッコリされていました。

認知症の方は、周囲の雰囲気や自分に向けられる感情を、よく感じ取っています。ご自分の経験から、こちらがハッとするような助言を下さったりもして、救いや感動を頂いたりもします。
時に対応困難な場面があっても「認知症の人のお世話が好き」と言う介護士は多いです😄