スキンケアは心がけ次第?エイジングケア3つの習慣【医師にインタビュー】
記事要約
女性なら誰しもが一度は気にするシミやしわ。いまからでも始められるスキンケアの方法とは。
スキンケアは心がけ次第次第?エイジングケア3つの習慣
女性なら誰もが、いくつになっても潤いのある美肌でいたいものです。それが故に『老化』は女性にとって永遠のテーマとも言えます。いつまでも美肌をキープするために、いまからどんなスキンケアができるのか、そしてどんなことに気を付けるべきなのでしょうか。
今回は多くの女性が気になるスキンケアに関するあれこれを、アナムネオンライン医療相談の皮膚科医の永井医師にインタビューしました。
エイジングケアマネジメントとは?いつから始めるといいの?
エイジングケアマネジメントとは具体的にどんなことなのでしょうか?
簡単に言うと、エイジングケアマネジメント=老化に対するケアのことです。
よくアンチエイジングという言葉も使いますが、アンチエイジングというと老化に抗う(あらがう)という意味合いが感じられます。老化は誰にでも起こるもの、いかに上手に付き合っていくか、そして皮膚だけではなくトータルで考えるエイジングマネジメントが重要と考えています。
エイジングマネジメントの手段は様々ありますが、美しさを保つ秘訣は肌単体でできることではありません。年を重ねても素敵な方は、姿勢や歩き方や知性を感じさせるなど、肌だけではないトータルの美しさを持っていらっしゃると感じます。
ただし今回は皮膚科医として、スキンケアのためのエイジングマネジメントについてお伝えさせていただきますね。
エイジングケアマネジメントはいつから始めるのがいいのでしょうか?
若い時から始めるのがいいですが、手遅れということはないので、気づいた時から始めればいいです。私自身も30代までは仕事に没頭しており、食生活は乱れ、必要なケアを怠ってきてしまいました…40代くらいからバランスの取れた食事を3食取ることや、姿勢を正しくするなどのトータルなエイジングマネジメントを始めています。
また年代なりの考え方が重要なので、気になり始めたタイミングからご自身のできる範囲の中で試していただければと思います。
20代はあまりスキンケアを気にする必要もないかもしれませんが、遮光は若いうちからも気を付け、日焼け止めは1年中使う習慣が良いです。
30代からはより自分で行うケア、特に洗顔・保湿により力を入れること。特に30代後半になったら、トータルのスキンケアが必要です。丁寧な洗顔・保湿を重点的に行う。保湿を行う際にはマッサージをしながら、きちんと浸透させる。また十分な栄養・睡眠を取り、姿勢等も気を付けることが必要となります。
このほかアンチエイジングとして提供されている様々な保険診療外の手段、レーザー治療やヒアルロン酸なども考えてもよいかもしれません。
押さえておきたいスキンケアの基本とは?
スキンケアとしてのエイジングケアマネジメントとはどんな対策でしょうか?
エイジングマネジメントとしてここでお伝えするスキンケアの方法は、なんら特別なことなどではありません。メイクが欠かせない現代女性にとっては、スキンケアは大切な習慣です。
そのスキンケアの3つの基本は「洗顔」「保湿」「遮光」です。今回はそれぞれの工程で気を付けるべきことをお伝えしますね。
スキンケア1.洗顔
細かい泡を立て、生え際まで丁寧に洗い、しっかりと洗い流すことが大切です。よく汚れをしっかり落とそうと、ごしごしと洗う、シャワーのついでに熱いお湯で洗う等、肌への過剰な刺激を与えるのはNGです。このように洗ってしまうと、肌に必要な皮脂を落とし過ぎ、表面の角質を削りとってしまい、肌にダメージを与える可能性があります。
またよくどんなクレンジング剤を利用するのがいいのか?というご質問をいただくのですが、私からこれがオススメというものはありません。というのも、肌質や肌状態はお一人お一人で異なります。だからこそ、クレンジング剤の選び方や使い方に唯一の正解があるわけではありません。
今やさまざまなタイプのクレンジング剤が世に登場していますが、ご自身の肌質と使い心地があるので、その人に合ったものを選ぶと良いです。ただし、ふき取りタイプを使い摩擦しすぎると、肌荒れしやすくなりますのでご注意ください。
クレンジング剤の基剤というのは肌質との関連があります。オイルタイプ、クリームタイプ、乳液タイプ等の違いです。オイルタイプは落とす力が強く早いですが、敏感肌、脂性肌の人には適さないことがあります。乾燥肌であれば乳液タイプやクリームタイプが良いですが、少しなじませるのに時間を置くことをお勧めします。あまりこだわらなくてもいいですが、自分に合うものを見つけることが大事です。
スキンケア2.保湿
一般的によく言われる保湿の基本は洗顔後に化粧水→乳液→クリームという流れです。ただし時期や肌質によっては、化粧水→乳液で十分です。特に肌が乾燥しやすい人や乾燥しやすい冬にはクリームを+αするなど、肌の調子を見ながら保湿方法を変えられるといいですね。
肌には何層もの角質細胞が重なってできており、角層細胞どうしの隙間を満たし、細胞同士や水分を繋ぎとめているのが、肌の必須成分「セラミド」です。クレンジング選び同様、化粧水もこれがいいというのはありませんが、セラミドは乾燥から肌を守るためにある成分なので、セラミド配合している化粧水を使用するのは理にかなっています。
スキンケア3.遮光
日焼け止めには皆さんのご存じの通り【SPF】(紫外線防御指数)というUVB派の防止効果を表す指標がありますが、日常生活ではSPF20-30の利用で十分です。SPF50は海辺や日差しが強い場所で長い時間滞在するときにつける強さです。いまは化粧下地にSPFが入っているものなどもあるので、ご自身の生活スタイルや状況に合わせて、日焼け止めを選べるといいですね。
またみなさん真夏の日差しは気を付けると思いますが、春先(3月くらい)には何も塗らずに外出してしまうということもあるでしょう。しかし実は春先の紫外線は強く、肌トラブルを引き起こす原因にもなっているのです。
紫外線にも種類がある?昨今の紫外線量や影響について
真夏と春の日差しでは、どのような影響の違いがあるのですか?
人の肌に影響を与える主な紫外線には、波長が異なるUVAとUVBという2種類があります。UVAは紫外線によるアレルギーを起こしたり、長期の影響で光老化(紫外線の影響によるシミ、しわの形成)に関する波長です。UVBは日焼けとその後の色素沈着を起こします。
真夏にはUVBが強く、日焼け等を引き起こしますが、春先にはUVAの影響により、皮膚がかゆくなる紫外線アレルギー(光線過敏性皮膚炎)などのトラブルが発生しやすくなります。どちらもしっかりと日焼け止めを塗ることで防ぐことが可能なので、1年中日焼け止めを塗ることをお勧めします。
いまと昔では紫外線の量は違うのでしょうか?また若い頃から紫外線を浴びすぎると、どんな影響がでますか?
そうですね。大気汚染の影響もあり、紫外線の量は増えています。
紫外線による皮膚老化(光老化)は歳をとってから、シミやしわが出やすくなるなどの影響があり、若い頃に紫外線を多く浴びていると皮膚がんにもなりやすいです。長時間日差しを浴びるとき等は、可能な範囲で小さい頃からしっかりと日焼け止めを塗るといいですね。
エイジングケアマネジメントで悩んだ際の相談先とは?
エイジングマネジメントの一環として、髪の問題についても解決できるのでしょうか?
髪の毛も皮膚科(病気と老化)の専門になります。壮年型脱毛症で有効な内服薬が使えるようになり、皮膚科を受診される方が増えました。
ただし女性向けの髪の減少や薄毛などで、皮膚科として(医療として)提供できる薬・治療機器は、今のところないのが現状です。シャンプーやトリートメントについて美容院で相談したり、少しお金をかけるなど考えても良いと思います。
また白髪でお悩みの方もたくさんいらっしゃると思うのですが、こちらを予防する薬は現在のところありません。
シミしわたるみなどで悩んだ際の病院選びのポイントは?
皮膚の病気の治療目的の場合「皮膚科」に行き、シミやしわ等のスキンケア目的であれば「美容皮膚科」に行くことをお勧めします。
ただし美容皮膚科を受診する場合には保険外診療になります。大都市圏では皮膚科と美容皮膚科を併設している病院やクリニック等も多くありますので、もし悩まれるようであれば、併設の皮膚科に行くことも1つの手ですね。
最後に、スキンケアに悩みがある女性に向けて一言お願いします!
病気も同じですが、自分のできる範囲のことで上手に付き合うことがとても大事です。気持ちの持ち方はお肌や老化に影響します。毎日何かひとつでも自分を褒める、そんな習慣を持って生き生きと過ごしてください。
もっと詳しく知りたい方は…
気になる点がある方は、ぜひアナムネにてご相談ください。私を含め、たくさんの女性医師がお待ちしております。
Clila(クリラ)は、クリニック、病院、医療系学会、製薬会社等の信頼できる医療情報専門の検索サービスです。