AIDSはどこで相談すべき?失敗しないAIDSの病院の選び方

記事要約

「性行為後、風邪のような症状が続いてる」「そもそもどのようにAIDSの治療を受ければいいのかわからない」「病院はどう選べばよいのか」と悩む女性は多いと思います。そこで、AIDSの種類や病院の選び方など、AIDSの治療に役立つポイントを解説いたします。

​​​​​喉の痛みや熱が続いている、AIDSの治療方法がそもそも分からない、病院をどのように選んでいいのかわからないと悩んでしまう方は少なくありません。

そこで、今回はAIDSの種類やそれぞれの病院の特色による対応の違いなどにふれたうえで、AIDSの病院選びに役立つポイントを詳しくみていきましょう。

AIDSとは

AIDSとは、HIVウィルスに感染することで免疫力が低下し、様々な症状を引き起こす病気のことです。

HIVに感染しているだけでは、AIDSとは呼ばず、カンジダや肺炎、トキソプラズマなどの合併症を併発したタイミングでAIDSと診断されることになります。

初期症状を経て数年から数十年で発症します。

AIDSの原因

HIVウィルスに感染する可能性がある行為として、以下3つの項目が該当します。

  • 性行為による粘膜接触
  • 血液を介した感染(輸血、針の使い回しなど)
  • 母親の感染(母子感染)

このなかでもとくに母子感染は、母親が感染していても母子ともに抗HIV薬の投与などの対策を生じることでHIVに感染する確率は1%程度まで低下させることが可能です。

ちなみに、計画的な帝王切開などもHIVウィルスの感染予防につながります。

AIDSの病院を受診するタイミング

AIDSの治療は早期発見・早期治療が大切です。

しかし、感染の可能性がある行為を行ったとしても、HIVウィルスに感染しているかどうかはすぐには分かりません。検査そのものはもっと早く行うことも可能ですが、判別できるのは、該当行為から6~8週間(2か月)程度の期間を経てからです。

時間が経過しなければわからない理由は、人体がHIVウィルスに対して抗体を作るまでに必要な時間が長いためです。そのため、感染するリスクのある行為を行った場合は、約2か月程度時間を経てからから受診することでHIVウィルスに感染しているかどうかを判別できます。

※「厚生労働省|感染症対策とウインドウ期」でも、目安が2ヶ月~3ヶ月となっています。

AIDSの検査

血液

AIDSの検査は、HIVに対する抗体があるかどうかを調べるものです。
血中にあるHIVの抗体を調べるスクリーニング検査には、以下の4つの方法があります。

  • 抗体があるかどうかを調べる抗体検査
  • ウイルスが増加しているかどうか調べる核酸増幅検査
  • HIVを形成するタンパク質を調べる抗原検査
  • 抗体と抗原を調べる抗原抗体同時検査

一般的には、HIVに感染してるかどうかを判断したうえで次の検査に進んでいきます。

仮に、スクリーニング検査で陽性という反応が出ても、確認検査をせずに治療に進むことはありません。
必ず確認検査が行われます。

不安が強い場合は、2週間前後からでもスクリーニング検査は受けることが可能です。

HIV感染、AIDSの経過

HIV感染とAIDSは同義語ではなく、HIVに感染した人が指定された23種類の病気を発症した場合にAIDSとなります。そのため、HIV感染の人が必ずしもAIDSを発症するとは限りません。

HIVは罹患してからの時期によって、感染初期(急性期)、無症候期(キャリア期)、AIDS発症期に分かれます。
全ての時期を通して、免疫力を保つCD4陽性リンパが破壊され、体内で減少していく点は共通しています。

《1》HIV感染初期(急性期)

喉の痛みや発熱など、人によって無自覚から、インフルエンザのような症状が出るなど症状に差が生じます。

HIVに感染後、2週間~4週間の時期に該当します。感染する行為があったとしてもすぐに症状にでない点と人によっては全く症状がないため、該当行為後の確認が大切です。

また、初期症状が出た場合でも自然に回復する場合が多い点も把握しておきましょう。

《2》無症候期(キャリア期)

感染してから、数年~10年前後の時期です。ほぼ何の症状もないものの、免疫力は下がり続けているため、人によっては、帯状疱疹・肺炎などの症状を発症するケースもあります。

実際に、HIVウィルスによって引き起こされる症状には、原因不明の脳炎、ウィルス性肝炎、体重の急激な減少などもあるため、適切な治療が必要となる場合も少なくありません。

また、人によってAIDS期に移行する期間に差が生じることも多く、1年から2年で発症するケースも確認されています。

《3》AIDS発症期

時期によってAIDS期になるのではなく、指定された23種類の病気を発症した場合にAIDS期になったと判断されます。例えば、カンジダ、サルモネラ菌血症、反復性肺炎など、他の病気と合わせて併発するケースも少なくありません。

※指定された23種類の病気の詳細は、「厚生労働省|感染症法に基づく医師及び獣医師の届出について」より

もっともこの時期になる前に対処できれば、HIVウィルスを機器では測定できないほどまで抑制することが可能です。早めの対処を心がけましょう。

全期間を通じて、検査によってHIVに感染しているかどうか判断できるため、重篤な症状が出るまえに対処できます。

AIDS病院の種類

AIDSの治療を行うにあたって病院の種類を把握しておきましょう。
AIDSの場合は、全国の保健所・自治体、公立病院・私立病院・大学病院・AIDS治療拠点病院が選択肢となります。

《1》全国の保健所・自治体

  • 自治体が指定する場所で集団検査が可能
  • 自治体のホームページで詳しい検査条件がお知らせされている場合もある
  • 基本的にHIVウィルスに感染しているかどうか判断したうえで、場合によっては最大の感染経路である性行為をきっかけに発症する梅毒なども同時に検査できる

《2》私立病院・AIDS治療拠点病院・大学病院

  • 事前の確認が必要であるものの、検査から治療まで可能
  • HIVウイルスによって引き起こされる合併症なども併せて治療可能
  • 料金に関しては受診する病院によって異なるため事前の確認が必要
  • 自分が服用することができる薬剤を確認しつつ、使用できる(抗 HIV 薬)
  • プライバシーに配慮した呼び方をしてくれるところもある
  • 場合によってはカウンセリングを行うことも可能

それぞれの特徴があるものの、 HIV に感染しているかなどの検査は無料でも行えます。
それぞれの特徴を把握したうえで自分が通いやすい病院を選択することが大切です。

AIDSの病院選びの際に重視する点

ポイント

AIDSの治療について複数の病院で迷っている場合は、アクセス・治療のコスト・医師との相性・プライバシーの配慮・複合的な治療の有無などのポイントを意識して選択しましょう。

ちなみに病院の評判などは検索すればすぐ把握できるため、そういった点も通院前に確かめておくことが大切です。

《1》アクセス

病院によって、通院の回数は異なってくるものの、自宅や職場などから近い場所の方が通いやすいといえます。

例えば、車でしか通えない場所の場合、自家用車がなければバスや公共機関を使用するしかありません。場所によっては、公共機関でも遠いこともあるでしょう。

加えて、診療時間や休日などの対応が可能かどうかなども大切なポイントです。
HIVウイルスによって急激な症状の変化が起きることは稀であるものの、合併症を併発している場合、その病気の対処も必要となるためです。

《2》治療のコスト

AIDSの治療料金に関してはよく説明を聞く必要があります。

例えば、健康保険の支払いが適用されるのかどうかなども治療方法によって変わることがあるためです。
実際にどの程度の料金が治療を開始した場合に発生するのかを事前に確認する必要があります。

もう少し未成年にフォーカスしてみると、例えば、自由診療のクリニックなどで検査だけであれば、数千円程度から受けることも可能です。
治療に関しても、内服薬で1万円程度から治療を受けられるケースもあります。

受診する前でもある程度料金の相談などは可能であるため、計画を立てたうえで通院を開始しましょう。

《3》医師との相性

AIDSに対する治療の方針は、病院によって大きく異なるわけではありません。

しかし、症状や告知の方法の伝え方などによって不快に感じる場合、治療から足が遠のいてしまうパターンも想定されます。

実際に、自業自得という対応や本人の内心を全く聞かないといった意見の押し付けや行動の強要などが問題視されている部分もあるのは事実です。

そのため、カウンセリングなどの方法も選択肢に入れたうえで、自身の疑問点や事実を正確に伝えられる医師を選択することが大切です。

《4》プライバシーの配慮

病院によって方針が異なるものの、AIDSを告知することによって心の傷となることも少なくありません。
実際に、 HIVウイルスが体外に排出されることはないものの、AIDSによって普段通りの生活ができなくなってしまう可能性があります。

そのため、告知方法などに対して配慮している病院を選ぶことが大切です。

加えて、告知方法などに問題があれば、検査機関に対する全ての信頼が失われ、場合によっては必要な治療を受けないといった選択肢を取ってしまうケースも想定されるため、慎重に病院を選びましょう。

《5》複合的な治療の有無

AIDSを発症している場合、HIVに感染したうえで23の疾患のうちどれか一つを発症していると判断できます。
そのため、病院の規模によっては、AIDSだけではなく、他の診療科と連携して治療に当たっていくことが可能です。

規模が大きくなればなるほど、他の診療科と合わせて治療の方針を決めていくことがしやすくなります。

逆に、クリニックなどになった場合、検査方法が限定されたり、そもそも対処できない症状があったりもするため、診察内容に合わせて病院を選択しましょう。

AIDSの病院選びのためのチェックリスト

チェックリスト

AIDSの病院を選ぶときには、以下のようなポイントを参考にしてみてください。

  • アクセス
  • 治療のコスト
  • 医師との相性
  • プライバシーの配慮
  • 複合的な治療の有無
  • 病院の評判

それぞれのポイントをチェックする際、気になっている病院のホームページの治療方針や雰囲気、具体的な説明がされているかどうかなどもよく確認しましょう。

これまでの実績や実際にどのような対応を行っているのかなどの記載があれば、その点をチェックし、自分に対しても同じような治療を行ってもらえると判断できます。

評判に関しては、あくまでも参考程度にとどめつつ、Googleマップや医療関係のまとめサイトの口コミなども参照できるため、総合的に判断しましょう。

まとめ

AIDSの治療を行う場合、まずはアクセスできそうな病院をピックアップするところからスタートしましょう。
自分の住んでいる地域だけでなく、交通機関を利用することで、選択肢が広がる場合があります。

また、AIDSの場合は、HIVウイルスに感染しているかどうかの検査からスタートします。
そのうえで、「もっと自分の本音を話せる病院に通いたい」「どうしてもコミュニケーションが取りづらい」といった問題が生じることもあるでしょう。

主治医の指導が的確であっても自分が納得できる治療でなければ継続できません。
そのため、ポイントに沿って病院を選択することをおすすめします。

以上お読みいただきまして、少しでもAIDS治療の病院選びの際にお役に立てましたら幸いです。

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