うつ病はどこで相談すべき?失敗しないうつ病の病院の選び方|疾患情報【おうち病院】
記事要約
「気分の落ち込みがずっと続いてる」「ストレスが掛かってると思ってたけどもしかしてうつ?」「病院はどう選べばいい?」と悩む方は多いと思います。そこで、うつ病の種類や病院の選び方など、うつ病の治療に役立つポイントを解説していきます。
うつ病気分の落ち込みが酷い、眠れない状態がずっと続いてる、病院をどのように選んでいいのかわからないと悩んでしまう方は多いといえます。
そこで、今回はうつ病の種類やそれぞれ病院ごとの対応の違いなどにふれたうえで、うつ病の病院選びに役立つポイントを詳しくみていきましょう。
治療を行う際の参考にしてみてください。
うつ病とは
うつ病とは、気分の落ち込みが一向に回復しない、眠れない、身体が動かないなどといった症状を起こす気分障害の1つです。
主に精神的・身体的な症状に分かれるだけでなく、症状の内容には個人差があります。
例えば、精神的な症状では何事にも興味が出ず無関心となる、身体的な症状ではめまいや頭痛、睡眠障害を引き起こすこともあります。
また、自分の判断で休養を取った場合は回復と発症を繰り返すようになる可能性があるため、適切な治療が必要です。
※参照元:厚生労働省|「知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス総合サイト こころの病気を知る うつ病」
うつ病の原因
うつ病の原因は、実は明確に解明されているわけではありません。
しかし、きっかけとなる要素は、人間関係のトラブルや慢性的な疲労などある程度把握できています。
つまり、過度のストレスとなる悩みを抱えることによって、うつ病に発症しやすくなると判断可能です。
厚生労働省のデータによると、現在では120万人以上の人がうつ病を含む気分障害を発症していることから、誰でも可能性のある病気だといえます。
※参照元:厚生労働省|「厚生労働省白書」
うつ病の病院を受診するタイミング
うつ病の治療を受けるタイミングは、以下の項目を目安にしましょう。
- ある時から夜中に目覚める回数が急に増えた
- 気分の落ち込みが一向に回復していない(2週間以上)
- 仕事、生活に必要なことができなくなった
気分は誰でも上下するものですが、下がったまま戻らない期間が長い場合も受診する目安になります。
加えて、集中力や記憶力が低下し、今までできていたことが急にできなくなった場合もうつ病を発症している可能性が高いといえるでしょう。
そのため、自分の感覚の中で「おかしいな」と感じた場合、すぐに受診することをおすすめします。
うつ病の検査
うつ病の検査は、以下のような方法で行います。精神的な検査だけでなく、身体的な検査を行う場合もある点は把握しておきましょう。
- 身体的な検査(頭部CT、 MRIや体重・身長、血液、脳波検査など)
- 診察(質問やチェックシートなどを活用し、心の状態を医師が判断する)
身体的な検査を行う理由は、精神に影響を与えている原因を解明するためです。
(うつ病の症状である神経伝達物質の働きの阻害は別)
医師の診察に関しては、基準に該当するかどうかを慎重に判断していくため、場所によって判別されるまでに時間を要することもあります。
うつ病の種類
気分障害は、うつ病と双極性障害の2つに分けられます。
そのうえで、うつ病にフォーカスすると「メランコリー型」「非定型」「季節型」「産後」などがあるため、詳しくみていきましょう。
《1》メランコリー型
うつ病の中でも体重減少や早朝の目覚め、体の動きの鈍化などがはっきり症状としてみられるタイプです。
責任感のある人や中高年に発症する人が多く、他責ではなく、自分を精神的に追い詰め続ける傾向があります。
加えて、一日の中でも朝の気分が最も低い状態となりやすく、場合によっては自殺防止のため家族が見守る必要もあります。
例えば、ある日を境に食欲が減少し、体重が著しく減っただけでなく、夜も眠れなくなってしまったなどの場合はメランコリー型である可能性が高いといえるでしょう。
《2》非定型
非定型はいつも気分が下がっているのではなく、ストレスを感じない物事に対しては気分が上昇する傾向があります。
例えば、仕事中は著しく気分が下がっているものの、帰宅後にゲームをするときは気分が上がっているなどのパターンは非定型に該当します。
加えて、気分に左右されやすく、自分の気分のコントロールが上手くできず他責思考になりがちな点に注意が必要です。
ちなみに、「うつ病である」ことを宣言する人も多く、過眠や過食などの症状が現れます。
《3》季節型
報告された当初は「冬季うつ病」だけだったものの、現在は梅雨や夏の時期に起こるものも合わせて季節型うつ病と呼ばれています。
(夏や春は環境の変化によるストレスが要因)
冬季うつ病は、冬季における日照時間の不足が原因であると推定され、過食や過眠など、メランコリー型とは反対の性質がある点が特徴です。
ちなみに、日照不足によって精神を安定させる神経伝達物質のセロトニンが減少することから、冬季うつ病を発症します。
また、罹患する患者の傾向として、女性や若年者に比較的多いことがわかっています。
《4》産後
産後に発症するうつ病のことです。
喜怒哀楽が安定せず、頻繁に泣くなどの症状が現れます。
加えて、気分の落ち込みやイライラの増幅、マイナス思考の加速による考え方の変化などの変化が現れることも少なくありません。
出産後1ヶ月から3ヶ月以内に発症することが多く、治療しなかったとしても治癒する可能性があります。
しかし、うつ病の一種であることには変わりがないため、早急な対処によって苦しむ期間を短くすることができます。
産後うつになる原因は、元々うつ病だった・家族からのサポート不足・ホルモンバランスの急激な変化などです。
家族としては、産後うつがどういったものなのかを把握することもサポートになるため、担当医から詳しい話を聞く準備を行っておきましょう。
うつ病治療の病院の種類
うつ病の治療を行うにあたって病院の種類を把握しておきましょう。
うつ病の治療を行うにあたって.病院の種類を把握しておくことは大切です。
うつ病の場合は、診療所・クリニック・医院や私立病院・公立病院・大学病院、精神科病院が選択肢となります。
《1》診療所・クリニック・医院
- 精神科で検査、治療が可能
- 料金は受診する場所によって変わるため、よく確認する(保険適用外もあるため)
- 医院によっては予約推奨
- スタッフ数が少ない医院でのカウンセラーや精神科医との相性はよく判断する必要がある
- 治療方法も医院によってカウンセリング以外も受診できる
《2》私立病院・公立病院・大学病院
- 検査から治療・入院まで含めた休養が可能
- 総合的な治療の相談がしやすい
- 長い期間の通院・治療を前提に考えても自分に合わせた治療方法を行いやすい
- 医師が多いため転院するリスクを軽減しやすい
- 紹介状が必要となることが多い
《3》精神科病院
- 検査から入院、リハビリ、生活指導まで可能
- 長期的な入院であれば心理的ケアや作業療法なども行える病院がある
- 外来による処方せん治療も可能
- 軽度から重症まで対応できる
カウセリングなどの治療方法は、どのような規模の病院でも行えるものの、リハビリや入院などに関しては行える場所が限られてきます。
そのうえで、自分の状態を診断してもらったうえで、自分に合う病院を選択することが大切だといえるでしょう。
うつ病の病院選びの際に重視する点
うつ病の治療について複数の病院で迷っている場合は、アクセス・治療のコスト・医師との相性などのポイントを意識して選択することが大切です。
また、病院の評判に関してはネット上の口コミではなく、できる限り実際に通院している方の話を参考にすることをおすすめします。
《1》アクセス
うつ病の場合は、通いやすい場所を選択することが大切です。
うつ病の種類や症状の重さにもよるものの、病院までの道程がストレスの高いものであれば、次第に通院することをやめてしまう可能性があるためです。
診察時間や曜日なども細かく参照しつつ、公共交通機関で移動できるなど自分でルールを決めて当てはまる病院を比較しましょう。
また、住んでいる地域にもよるものの、ある程度プライベートを意識した配置の病院を選択することも大切です。
例えば、問診やカウンセリングでは仕事や生活といったプライベートな内容を話したり相談することがあるためです。
《2》治療のコスト
うつ病はほとんどの治療内容が保険が適用される内容であるため、病院の種類などによって大きな差が生じることは少ないといえます。
この場合に注意したいのは、うつ以外に併発している病気があるかどうかという点です。
不眠症などの精神疾患であれば合わせて治療できるものの、内臓系の疾患で別々の病院に通院する必要があるなどといった場合は通院費がかかってしまいます。
この場合は、うつ病以外に併発している病気の内容も検討したうえで病院を決定する必要があるといえるでしょう。
《3》医師との相性
うつ病の場合、医師との相性は大切な要素です。
薬物療法を行うのは、ほぼ全ての病院で変化はないものの、自分の意志を伝えた場合の反応は大きく異なります。
例えば、自分の発言をそっけなく受け流された場合、以後その医師とのコミニュケーションがストレスになることが想定されます。
また、うつ病であれば通院することが大きな負担となるケースも少なくありません。
そのため、信頼関係を築くことができる医師でなければ、治療を続けることが難しくなってしまいます。
病院を選定する際は、まずは医師の言葉などからコミニュケーションがとれる相手かどうか判断するとよいでしょう。
うつ病の病院選びのためのチェックリスト
うつ病の病院を選ぶときには、以下のようなポイントを参考にしてみてください。
- アクセス
- 治療のコスト
- 医師との相性
- 病院の評判
アクセスに関しては病院の場所や地域性まで検討する必要があります。
また、人から見られること自体が苦痛という方も少なくありません。
そのため、病院への出入りだけでなくロビーに関してもプライベートに配慮しているかどうかはよくリサーチする必要があるといえるでしょう。
そして、医師との相性は最も気にするべきポイントです。
うつ病の場合、長い時間をかけて回復していくものであることから、コミニケーションが取れない相手と話し続けること自体がストレスとなります。
ストレスを最大限に軽減しつつ、うつ病に向き合っていける医師を探しましょう。
まとめ
うつ病の治療を行う場合、選択する病院の規模によって治療内容が変わります。
うつ病に関しては治療内容を比較ししつつ、医師との相性を見極めることが大切です。
うつ病に必要な治療方法は、入院が必要かどうかによって選択できる病院の種類が変わります。
そのうえで、医師の判断によっては即入院する必要がある点に注意が必要です。
そして、病院を選ぶ際にはアクセスと医師との相性を優先事項として比較・検討していくことが大切です。
とくに、数年単位の治療が必要となることが多いため、自分の言葉をしっかり受け止めたうえで受け答えをしているかといった視点から医師との相性を判断してみましょう。
以上お読みいただきまして、少しでもうつ病の病院選びの際にお役に立てましたら幸いです。