ドライアイはどこで相談すべき?失敗しないドライアイの病院の選び方|疾患情報【おうち病院】

記事要約

「最近、目が疲れやすい」「目がゴロゴロして痛い」「病院はどう選べばよいのか」と悩む人は多いと思います。そこで、ドライアイの種類や病院の選び方など、ドライアイの治療に役立つポイントを解説します。

目が疲れやすい、ゴロゴロして痛みを感じるといった症状で悩まれている方は多いと思います。
実際にドライアイを放置してしまうと、感染症にかかりやすくなる・視力が低下するといったリスクがあるため、病院で適切な治療が必要です。

そこで、本記事では、ドライアイの種類やそれぞれの病院の特色についてふれています。
ドライアイの種類や検査の方法を知りつつ、ドライアイの病院選びに役立つポイントをみていきましょう。

ドライアイとは

ドライアイとは、涙の量が不足する、涙の質がバランスを崩すなど目が乾燥してしまう病気のことです。
別名で「乾燥性角結膜炎」ともいいます。

涙の役目は、目の表面を覆って乾燥を防ぎ、外の刺激から目を守ることです。
しかしドライアイになると、以下のような症状が現れます。

  • 目が乾いてゴロゴロする
  • 物がかすんで見える
  • 目が疲れる

涙の量も安定しないため、角膜が傷つきやすく視力低下のリスクもあります。

ドライアイは直ちに重篤な症状になるケースは少ない病気です。
しかし放置していると、目の角膜が傷ついて結膜炎などの感染症にかかりやすくなる点に注意が必要です。

ドライアイの原因

ドライアイとなる原因は、パソコンやスマートフォンを見る時間が長い・エアコンによる乾燥・コンタクトレンズのルールを守らない使用などの環境要因によるものが大きいといえます。

また、不規則な生活やストレスによって、涙の分泌が減ることもあります。
加齢によって涙の量が減る・質が変化するなどで、ドライアイになるケースも少なくありません。

一方で、シェーグレン症候群やスティーブンスジョンソン症候群などの希少疾患が原因で、涙腺の機能が正常でない場合も考えられます。
とくにスティーブンスジョンソン症候群は重篤なドライアイだけでなく、命に関わることもある点に注意が必要です。

ドライアイの病院を受診するタイミング

ドライアイで病院を受診するタイミングとして、日常生活を支障を感じた時が望ましいです。
目が痛くて仕事に集中できない、コンタクトを付けていると不快感がある場合は、受診することをおすすめします。

特に、痛みが出ている場合は目が傷ついている可能性があるだけでなく、感染症などを引き起こすリスクが想定されます。
角膜に傷がついた場合には、視力も低下するため注意しましょう。

痛みや不快感といった症状がそれほど強くない場合もあるでしょう。
その場合は、ドラックストアなどで購入できるドライアイ用の目薬でも応急処置は可能です。

しかし、あくまでも応急処置であるため、目薬を使用してもドライアイが改善されない・ドライアイの症状が強くなるケースも少なくありません。

この場合も病院の診察を受けるべきタイミングといえます。

ドライアイの検査

目薬

ドライアイの検査は3種類あります。

1つ目は涙の量を調べるシルマー試験です。
シルマー試験とは、目盛りが付いた紙をまぶたのふちにはさみ、5分間かけてどれくらい涙で濡れるのかをチェックする検査方法です。

2つ目は細隙灯顕微鏡検査です。
顕微鏡で目の表面を診る検査で、フルオレセインという染色液を点眼して、顕微鏡で見る検査です。
染色液によって色が付くため、目の表面にある傷の確認が可能です。

3つ目はBUT検査になります。
顕微鏡で行う検査で、目を開いてから目の表面の涙の膜が破壊されるまでの時間を計測するものです。
まばたきをしない状態で目の表面の涙がどの程度保たれているのか確認でき、もし5秒以内に涙の層が壊されていれば、ドライアイの可能性が高いといえます。

ドライアイの種類

ドライアイは涙液分泌減少型、涙液蒸発亢進型、BUT短縮型の大きく3つに分かれています。

《1》涙液分泌減少型

涙液分泌減少型は、涙の分泌量が減ることで起こるドライアイです。
涙液分泌減少型のドライアイになる要因として、ストレスや加齢の他、降圧薬、抗うつ薬、尿失禁治療薬といった、抗コリン薬の常用が挙げられます。

また、糖尿病性網膜症の重症の場合、涙液の反射性分泌機能が低下してドライアイを引き起こします。
シェーグレン症候群のドライアイも涙液分泌減少型に含まれる点は把握しておくとよいでしょう。

シェーグレン症候群とは涙腺など目の組織に炎症が起こり、涙が出にくくなる病気です。
涙のみならず唾液の分泌減少・口が乾いて食事が摂りにくくなる症状も出るため、早急な治療が必要といえます。

《2》涙液蒸発亢進型

涙液蒸発亢進型は、涙が蒸発してしまって目が乾くドライアイです。
乾燥しやすい冬やエアコンの影響を受けやすい夏場に増加し安い傾向にあります。

例えば、パソコンやスマートフォンの使用によってまばたきの回数が減るなど、環境面の影響が大きいドライアイです。

また、コンタクトレンズの使用でも涙液蒸発亢進型のドライアイになりやすい点に注意が必要です(涙・水分を吸い取るため)。
特にソフトコンタクトレンズの使用者は乾燥を感じやすいため、使用する場合は目薬などの対策を徹底しましょう。

《3》BUT短縮型

BUT短縮型は、涙の質が不安定になって起こるドライアイです。
BUTとは、涙液層破壊時間(Breakup time)を意味しています。

涙そのものが消失する他の2種類のドライアイと異なるものの、均一の層を形成できないため、涙の質に問題があるパターンだといえるでしょう。

本来、まばたきをすると10秒以上は涙液層が角膜上に保持されます。
しかしBUT短縮型ドライアイの場合、すぐに涙液層が破壊される点が特徴です。

涙の分泌量に異常がなくてもBUT短縮型は起こりえます。

ドライアイ病院の種類

ドライアイの治療を受けられる病院の種類をみていきましょう。

クリニック・医院の眼科や大学病院・総合病院の眼科で検査や治療は受けられます。
また、ドライアイを専門的に見るドライアイ外来もあるため、それぞれ受けられる治療内容について把握しておきましょう。

《1》クリニック・診療所・医院の眼科

  • 検査や診察、治療まで可能
  • 評判などにもよるが、当日診察が可能など予約がとりやすい傾向の病院が多い
  • 全国各地に点在しているため、受診・通院がしやすい
  • ドライアイの検査・治療は設備にもよるため、事前の問い合わせや確認も必要
  • ドライアイを専門に診るドライアイ外来の場合は、専門な検査や治療ができる医師が常駐している
  • 軽度から重度まで対応できる場合が多い

《2》大学病院・総合病院の眼科

  • 検査や診察、ドライアイに関連する総合的な治療が可能
  • 涙点プラグ挿入術なども可能な病院が多い(涙点プラグは涙の出口を塞いで流出を抑え、目の表面にとどめる方法)
  • 人工涙液やヒアルロン酸ナトリウムといった点眼薬の処方で症状が改善しない場合も対処可能
  • 紹介を必要とする場合もあるものの、比較的重度のドライアイであっても対応してもらえる

病院を選択する際は自分に必要な治療内容から判断しましょう。
例えば、規模が小さくても専門医であれば重度でも治療が可能です。

まずは近くの眼科を調べるところからスタートしてみましょう。

ドライアイの病院選びの際に重視する点

ポイント

ドライアイの治療ができる病院選びでは、アクセス・治療内容や症例数・検査内容・医師の知識レベルを重視していきましょう。

自分にとって通いやすい病院を選ぶことで適切な処置を受けられ、定期的に通院しやすくなります。

《1》アクセス

ドライアイの病院を選ぶ際、アクセスが良いと通院しやすいです。
ドライアイは「いつか治療すれば良い」と考えてしまい、病院へ足が向かないという人もいます。

そのため、なるべく家や職場から通いやすい立地の病院を選べば通院しやすいでしょう。

また、ドライアイは点眼などで一時的に症状が改善するため、通院を続けなくても良いと考えてしまいがちです。
しかし、定期的な通院で検査や診察をし、医師の判断を仰ぐことが大切です。

自己判断で通院を辞めてドライアイが悪化しないよう、通いやすい場所にある病院を選択しておきましょう。

《2》検査内容

ドライアイの種類は涙液分泌減少型・涙液蒸発亢進型・BUT短縮型の3種類あり、それぞれ治療方針が変わります。
そのため、複数の検査結果を用いて治療の方向性を定めていかなくてはなりません。

ドライアイの検査はシルマー試験・細隙灯顕微鏡検査・BUT検査があり、複合的に見てドライアイの種類を把握します。
ドライアイの検査が充実していないと、単一的な視点からでしかわからず、適切な治療が受けられません。

訪れる病院は、ドライアイに対してどのような検査を行っているか調べておきましょう。

《3》治療内容や症例数

重度のドライアイの場合、涙点プラグ挿入術といった処置が必要になる可能性があります。
しかし病院によっては涙点プラグ挿入術を扱っていないケースもあるため、治療内容や症例数を確認すると良いでしょう。

治療内容や症例数は、公式サイトなどで確認できます。
重度のドライアイの治療を受けたい場合は、治療内容や症例数に注目してみましょう。

《4》医師の知識レベル

ドライアイの専門知識がない医師の場合、辛い症状を訴えても納得いかない治療をされるケースも考えられます。
(診療科に所属しているが新しい知識を吸収していないケースなど)

ドライアイ外来に在籍している医師や専門家として名高い医師であれば、知識を活用して患者の辛さを共有して検査や治療を行ってくれる可能性が高まります。

ドライアイの病院選びのためのチェックリスト

チェックリスト

ドライアイの病院を選ぶときには、以下のポイントを参考にしましょう。

  • アクセスの良さ
  • 検査内容
  • 治療内容
  • 症例数
  • 医師の知識レベル

ドライアイは、一度病院へ通えば治るとは限りません。
また、自己判断で通院を辞めてしまうとドライアイが改善しない可能性もあるため、医師の診断を仰ぐためにも定期的に通院する必要があります。

検査内容が充実していると正確なドライアイの種類がわかり、適切な治療が受けられます。
また、ドライアイの症状によっては高度な処置が必要になるため、治療内容や症例数にも注目しましょう。

眼科医のすべてがドライアイの治療を得意としているわけではないため、専門知識を有する医師がいる病院がおすすめです。

上記のポイントを抑え、自分に合った病院を選びましょう。

まとめ

ドライアイは、目が疲れやすい・痛みがでるなど、日常生活を送るうえで支障が出る症状が多い病気です。
パソコンやスマートフォンの利用時間が多い人はドライアイになりやすい点は把握しておきましょう。

また、乾燥する冬や冷房の風の影響を受ける夏に症状が出るケースも珍しくありません。

ドライアイを放置しておくと、目の角膜が傷ついて感染症にかかりやすくなる・視力が低下するといったリスクがあります。

病院選びの際には、アクセス・検査内容・治療内容や症例数・専門の医師が在籍しているかを把握することが大切です。
病院へ定期的に通い、ドライアイを治していきましょう。

以上お読みいただきまして、少しでもドライアイの病院選びの際にお役に立てましたら幸いです。

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