血尿はどこで相談すべき?失敗しない血尿治療の病院の選び方|疾患情報【おうち病院】
記事要約
「痛みが無いけど尿に血が混ざっている」「尿に違和感があったらどのような治療を受ければいいのかわからない」「病院はどう選べばよいのか」と悩む方は多いと思います。そこで、血尿の種類や病院の選び方など、血尿の治療に役立つポイントを解説いたします。
排尿するとき違和感を抱く、尿に血が混ざっている気がする、病院はどう選んでいいのかわからないと悩んでしまう方は少なくありません。
そこで、今回は血尿の種類やそれぞれの病院の特色による対応の違いなどに触れた上で、血尿の病院選びに役立つポイントを解説させて頂きます。
血尿とは
血尿とは、血が混じっている状態で排尿される症状を指します。
場合によっては、痛みを感じることなく真っ赤な尿が出ることも少なくありません。
血尿が出るケースは大きく分けて2タイプに分かれます。
1つ目は肉眼的血尿と呼ばれる症状で、自分の肉眼で尿に血が混じっていると気がつくパターンが該当します。
2つ目は顕微鏡的血尿と呼ばれるパターンです。
尿に混じる赤血球が微量なため肉眼では気がつかず、健康診断などの検査を通して血尿だと診断されます。
血尿の原因
血尿が起きるということは、尿路(尿の通り道)のどこかが出血していることになります。
尿路とは腎臓、尿管、膀胱、尿道をさすものです。
また男性の場合は、尿道に隣接する前立腺の異常も血尿の原因になることがあります。
血尿を起こす原因疾患としては、以下のようなものがあります。
- 腎炎
- 腎癌
- 膀胱炎
- 膀胱癌
- 尿路感染症
- 尿管結石
- 前立腺肥大症
尿管結石が原因で血尿が出るときは、脇腹や腰に強い痛みを感じることもあります。
そのため、肉眼で血尿が確認できなかったとしても、排尿時に脇腹や腰の痛みや残尿感などの違和感があれば、必ず専門医を受診するようにして下さい。
血尿の病院を受診するタイミング
血尿の治療は、早期受診・早期発見が大切です。
肉眼で血尿を確認した時点で、早めに専門医を受診するようにしましょう。
とくに痛みを感じないとしても、そのままにした場合、命に関わる可能性があるためです。
例えば、出血は腎臓がん、痛みは結石・膀胱炎などの疑いがあります。
また、健康診断などで「顕微的血尿(尿潜血陽性)」だと診断された場合も、早期受診が必要です。
透明にみえたとしても赤血球が混じっていることに変わりはないため、原因を根本的に治療しない限り、出血は止まらない点は把握しておきましょう。
少しでも症状が見られる場合には、速やかに受診して下さい。
※参照元:厚生労働省|出血性膀胱炎
血尿の検査
血尿の検査は、尿潜血検査(テステープ検査)が主流です。
尿を専用の”ろ紙”に浸し、赤血球が混じっているかどうかを調べる方法です。
テステープ検査による反応が見られた場合、さらに以下3つの検査が行われます。
- 尿沈渣:採尿し、顕微鏡で赤血球や細菌を検鏡する検査
- 尿細胞診:がん細胞が潜んでいないか確認する検査
- 腹部超音波検査:腎臓、膀胱、前立腺などに異常が無いか調べるための検査
一般的には尿潜血検査、尿沈渣を行い、血尿を確認してから異常箇所を探すことになります。
異常が見つかれば、再検査し、診断を確定した上で次の検査・治療に進んでいくという流れです。
血尿の種類
血尿は、尿に血液が混ざっている状態が肉眼で見えるパターン(肉眼的血尿)と、見えないパターン(顕微鏡的血尿)の2種類があります。
尿に血液が混ざっている(正確には赤血球)点は共通しているだけでなく、それぞれ根本的な治療が必要となる点は把握しておきましょう。
《1》肉眼的血尿
肉眼的血尿は排尿した際、血の色が目で確認できる血尿を指します。
肉眼的血尿は以下2つのタイプに分かれるものの、出血している点は変わらないため、早めの受診が必要です。
・症候性肉眼的血尿:排尿するときに痛みや残尿感などの自覚症状がある(要因は結石、尿道炎など)
症候性肉眼的血尿で見られる症状は痛みや違和感を伴うものが多い傾向です。
早期発見によって、治癒が比較的早くなります。
・無症候性肉眼的血尿:痛みや自覚症状が全くない(要因は腎がん、尿管がんなど)
無症候性肉眼的血尿の場合は、たとえ血尿が出たとしても、すぐに消えて見えなくなることもあります。
痛みなどの自覚症状も無いものの、早期受診が必要です。
《2》顕微鏡的血尿
顕微鏡的血尿は、健康診断などの尿検査で血潜血反応が出ることで血尿である可能性が示されます。
出血量が少なく一過性であることも想定されます。
例えば、健康診断で顕微鏡的血尿と診断されたものの、泌尿器科で再検査した場合に何も発見されないことも少なくありません。
しかし、膀胱癌など命に関わる疾患の初期症状のこともあり早期受診は必要です。
いずれも原因をはっきりさせる必要があるため、早期受診を検討しましょう。
血尿治療の病院の種類
血尿の治療を行うにあたり、病院の種類を把握しておきましょう。
血尿の場合は、まずはクリニックや私立病院・総合病院・大学病院の泌尿器科を受診することになります。
女性の場合は婦人科と悩むこともあるでしょう。
しかし、血尿に加え、残尿感や排尿時の痛みなど他の症状が見られる場合には、女性でも泌尿器科を受診しましょう。
《1》クリニック(泌尿器科、腎臓内科)
- 各地に点在しているため自宅または通勤途中などにあって見つけやすい
- 予約なしで診てもらえることが多い(各クリニックへの確認が必要)
- 大病院に比べると待ち時間が短いこと多い
- 血尿のみの場合は、まず泌尿器科を受診することが多い
- 血尿に加えてタンパク尿を指摘されている場合には腎臓内科を受診するのが良い
- 詳しい精密検査が必要な場合は高次医療機関へ紹介されることがある
《2》私立病院・総合病院・大学病院
- 検査から治療まで可能
- 泌尿器科からさらに精密な検査が必要なときなど、事前の確認が必要
- 紹介状、予約が必要なことが多いので事前の確認が必要
- 血尿の原因となる症状によって、引き起こされる合併症なども併せて検査、治療が可能
- 料金は受診する病院によって異なることがある
- そのため、事前の確認が必要
自分が通いやすいと感じる泌尿器科を受診しましょう。
さらに精密な検査が必要だと診断された場合には、医師からの紹介状を書いてもらい、次に利用するべき医療機関をどこにするか相談しながら決めて行くことが大切です。
血尿の病院選びの際に重視する点
血尿を治療するための病院で迷っている場合は、通いやすさや診療時間、治療費、医師との相性、病院の規模などのポイントを意識して選択しましょう。
口コミなどの評判だけで検索するのではなく、自分の置かれた環境に適した病院を選別していくことが大切です。
《1》通いやすさ
病院は、自宅や職場からできるだけ近い場所を選ぶと良いでしょう。
治療内容によって変わりますが、回数が増えても通院の負担が増えないようにするためです。
また、公共の交通機関を使ったとしても15〜20分以内に通える範囲の病院を選ぶと負担が少なくなります。
さらに、大きな道路が近くにある、駅に近い場所にあるなど利便性の高い病院を選ぶことで通いやすくなるため、交通手段から検討することも大切です。
《2》診療時間
診療時間についてもよく調べておきましょう。
平日勤務が多い方であれば、土日祝日も受診できるか。あるいはシフト勤務であれば、平日に休診日がないかを確認すると良いでしょう。
血尿の原因によっては症状が急激に悪化する場合もあります。
急な悪化や合併症を併発しているとなった場合、すぐに受診、治療が必要になるため、診療可能日時を確認しておくことは大切です。
《3》治療費
血尿の治療費は、血尿の原因となっている病状によって異なります。
例えば、膀胱炎が原因だった場合、相場としては治療費で2500円〜4000円、薬代で約1000円〜2000円前後といった病院が多い傾向です。
また健康保険適用の診療と自由診療でも治療費は変わってきます。各病院によって治療費用の設定が異なるため、あらかじめ料金についても相談しておくと良いでしょう。
《4》医師との相性
相性の良い医師を見つけることも大切です。
血尿に限らず、些細なことでも気になることがあれば、相談できるなど寄り添ってくれる病院を選ぶことがより良い治療への近道とのいえます。
信頼できる医師を見つけるのはそう簡単なことではないかもしれません。
しかし、少しでも医師との間に違和感を感じる場合は、別の病院を受診することも時には必要です。
《5》病院の規模
総合病院、大学病院などの大規模な病院で治療できれば、以下のような様々なメリットを得られます。
- 血尿の原因を見つけるための精密検査を受けられる
- 合併症などのさらなる異常があった場合、迅速に専門医と連携してもらえる
- 検査、手術、入院までが1つの病院で受けられる
- 急な症状悪化が起こっても、夜間・休日問わず、治療、入院の対応をしてもらえる
- 担当医は変わらずとも、診察する医師が変わることもある
かかりつけ医ではなかなか症状が改善しない、セカンドオピニオンを希望する場合には、大学病院などの大規模な病院への受診を検討しても良いでしょう。
ただし、紹介状が必要なことが多い旨は把握しておくことが大切です。
血尿の病院選びのためのチェックリスト
血尿の病院を選ぶときは、以下のポイントを参考にしてみてください。
- アクセス
- 治療費
- 診療時間
- 病院の規模
- 病院の評判
病院を選ぶ際は、上記のポイントを押さえた上で、病院のホームページを確認しましょう。
病院の雰囲気や、治療方針、診療可能日時など、自分に必要な材料を多く集められます。
合わせて、これまでの実績や具体的な治療内容などの記載があるかも確認しましょう。
自分と同じ症状に対してどのように治療を行ってもらえるか、あらかじめチェックできます。
例えば、論文を多数発表している医師が担当者であれば、安心感を得られます。
病院の評判に関しては、医療関係のまとめサイトにある口コミを参考にすると良いでしょう。
いずれにせよ、病院はあらゆる要素から総合的に見て選別していく必要があります。
まとめ
血尿の治療を行う場合、まずは自分が通いやすい範囲に病院があるかを確認しましょう。
もし、病院が見当たらないのであれば、通院の手間と治療の必要性の優先順位を高め検討することが大切です。
例えば、最初から規模の大きい病院で的確な治療ができれば、血尿の原因を根本的に治療できます。
そのため、ライフスタイルに合わせて病院を選ぶことで将来的な負担を軽減する視点を意識することが大切です。
また、血尿の場合は、病院によって初期診療の内容が大きく変わることはほぼありません。
そのため「もっと色々相談できる病院に通いたい」「血尿は無くなったけど、症状が良くならない。このままで良いのか」と思った場合には、転院することを検討しましょう。
がんなどの重篤な病気であるほど、医師がコミュニケーションの取れるか相手かどうかは重要な要素といえます。
以上お読みいただきまして、少しでも血尿治療の病院を選びの際にお役に立てましたら幸いです。