じんま疹はどこで相談すべき?失敗しないじんま疹の病院の選び方|疾患情報【おうち病院】

記事要約

「朝起きたら急にじんま疹ができていた」「お風呂に入るといつもブツブツが出る」「じんま疹が繰り返すが、病院はどのタイミングで行けばよいのか」と悩む方は多いでしょう。そこで、今回はじんま疹の種類や病院の選び方などについて解説していきます。

「朝起きた時にぶつぶつが出ていたけれど一定期間後には消えてしまう」

「なんだか身体がかゆいと感じるけれどしばらくすると消えてしまいどのタイミングで病院に行けばいいのか迷う」

「病院をどのように選んでいいのかわからない」

と悩んでしまう方は少なくありません。

そこで、今回はじんま疹の種類やそれぞれの病院の特色による対応の違いなどにふれたうえで、病院選びに役立つポイントを詳しくみていきましょう。

じんま疹とは

突然皮膚の一部分が突然、赤く、くっきり盛り上がる病気です。

盛り上がった部分(発疹)は、多くの場合かゆみを伴います。
一般的には、発疹は数十分から数時間程度、長くても一日程度で消失するのが特徴です。

虫刺されに似た円形のタイプが多くみられるものの、そのほかにも地図状のものや花びら状のものなど多様な形になることもあります。
また、大きさも数ミリ程度の小さなものから大きなものまで様々です。

じんま疹の原因

じんま疹には、アレルギー性のものと非アレルギー性のものがあります。
どちらの場合も、主な原因はヒスタミンです。皮膚の中にあるマスト細胞がヒスタミンを放出することで、むくみやかゆみを引き起こします。

アレルギー性じんま疹の原因には、飲食物、薬品、虫、植物をはじめとした多くのものがあります。
非アレルギーじんま疹は、特定の誘因で引き起こされる「刺激誘発型」と原因が特定できない「特発性」とに分けられます。

じんま疹で病院を受診するタイミング

すぐに消失してしまう軽いじんま疹で、繰り返すことがない場合は無理に受診しなくても良いでしょう。
しかし、気になる場合、消失前に患部の写真を撮っておくと受診の際消失していても、医師に症状を見せることが可能です。

全身に発疹が出る、消失と発疹を繰り返す、一日以上発疹が続く、といった場合は病院での受診をおすすめします。
また、発疹と合わせて発熱や腹痛、呼吸困難などの症状がある場合は早めに受診すると良いでしょう。

じんま疹の検査

蕁麻疹

アレルギー性じんま疹の場合、主な検査方法としては血液検査があります。

アレルゲンに対して反応し、マスト細胞などからヒスタミンを放出させる因子がIgEです。
血液検査では、IgE抗体数を測定します。

その他、必要に応じて、原因と考えられる物質を皮膚に注射する皮内テストや物質を皮膚にのせて針で突くプリックテストがあります。

また、原因と考えられる食べ物や薬剤を摂取することで負荷を与える、負荷検査を行うこともあるため、検査方法は医師の指示に従いましょう。

じんま疹の種類

じんま疹は、原因不明の特発性じんま疹、刺激誘発型のじんま疹、その他の特殊なじんま疹、という3つの種類に分けられます。
それぞれについて解説します。

《1》原因不明の特発性じんま疹

特に大きな原因がないのに現れるじんま疹がこちらです。
約80%が該当します。毎日のようにじんま疹が現れて消滅する、といった症状を繰り返すのが特徴です。

疲労やストレスの蓄積や細菌やウィルスの感染による症状悪化がみられることもあります。
このうち、発症して一カ月以内の急性じんま疹といい、発症後一カ月以上経過するものを、慢性じんま疹といいます。

《2》刺激誘発型のじんま疹

特定の刺激や負荷により誘発され、原因が特定できるものが該当します。
代表的なものをみていきましょう。

・アレルギー性じんま疹
食べ物や薬剤、植物や昆虫などにより引き起こされる

・食物依存性運動誘発アナフィラキシー
特定の食べ物を摂取したあと、2~3時間以内に運動負荷を加えることにより起こるアナフィラキシー反応

・非アレルギー性じんま疹
食べ物や薬剤、植物や昆虫などにより引き起こされるじんま疹のうち、非アレルギー性のもの

・不耐性によるじんま疹
アスピリンを始めとしたNSAIDs の摂取により誘発される

・物理性じんま疹
寒くなると現れる寒冷じんま疹、温かいと現れる温熱じんま疹

《3》その他の特殊なじんま疹

その他の特殊なじんま疹には次のものがあります。
口やまぶたにできることが多い血管性浮腫、じんま疹様血管炎、皮膚の振動により発症する振動じんま疹、色素性じんま疹によるダリエ徴候などです。

じんま疹治療の病院の種類

じんま疹の治療を行うにあたって病院の種類を把握しておきましょう。
診療所・クリニック・医院や私立病院・公立病院・大学病院が選択肢となります。

《1》診療所・クリニック・医院

  • 皮膚科で検査・治療も可能
  • 診察時間などは要確認
  • 皮膚に対する治療は可能であるものの、内臓になどに問題がある場合は他の病院を受診する必要がある
  • 紹介状などを書いてもらうことができる

《2》私立病院・公立病院・大学病院

  • 検査から治療まで可能
  • じんま疹が出ている理由によっては入院も含めて総合的な治療が可能
  • 入院及び手術にも対応しているため、じんま疹を伴う他の病気も治療可能
  • 緊急性の高いアナフィラキシーなどが起こった場合でも対応しやすい
  • 担当医師が複数名いることもあるため、自分の意思に合わせた治療を行いやすい
  • 紹介状が必要になることが多い点には注意が必要

じんま疹の治療は、多くの病院で行うことが可能です。
そのうえでじんま疹が発生している理由を明確にしたうえで対処する必要があります。

例えば、じんま疹を発症している理由が他の病気によるものであれば、大規模な病院でなければ対処できないことも少なくありません。
まずは、近くの皮膚科の受診から行っていきましょう。

じんま疹の病院選びの際に重視する点

ポイント

じんま疹の治療について複数の病院で迷っている場合は、アクセス・治療の内容・などのポイントを意識して選択することが大切です。

評判が気になる場合は、口コミよりも公式ホームページの実績などを参照することで安心できます。

《1》アクセス

通いやすい場所を選択しましょう。
どのような理由によってじんま疹を発症しているのかにもよるものの、内服薬であれば近くの皮膚科で処方してもらうことも可能です。

場所によっては、徒歩で行けるところもあるでしょう。

しかし、アレルギー反応などによるものや他の病気が原因でじんま疹が現れている場合は、大規模な病院でなければ治療ができないケースも想定されます。
そのため、じんま疹が現れた段階で早めに受診しましょう。

また、内服薬によってすぐに治まるじんま疹が多いものの、自宅近くの数件の皮膚科の診察日はよくチェックしておきましょう。
自分の休みと休診日が重なった場合、受診することができなくなってしまうためです。

《2》治療の内容

じんま疹の治療内容は、内服薬を使用するものがほとんどです。
そのため、アレルギーや他の病気が理由で現れるじんま疹以外は薬によって治療することができるといえるでしょう。

そのうえで、他の病気によってじんま疹が現れている場合はその病気を治療しない限り根本的な解決ができません。
検査を行い、どのような理由でじんま疹が発生しているのか、明確になった場合は治療内容によって病院を選択する必要があります。

例えば、皮膚科に行って受診・検査し、理由が胃の炎症によるものだった場合、別の病院に移動しなければ治療できません。
そのため、最初から総合的な治療かができる病院を選んでおくのも1つの選択肢といえます。

《3》医師との相性

じんま疹は様々な要因で発生します。
そのため、医師に対して以下のような項目を伝える必要があります。

  • いつから症状が現れているのか
  • 他に併発してる病気があるかどうか
  • アレルギーがあるかどうか
  • 以前もあったのか今回が初めてか
  • どのような薬を使っているのか

受診する際の問診表である程度聞かれる内容と重複する内容もあるものの、医師が真剣に話を聞いているかどうかはよくチェックしましょう。

診断後、内服薬などの薬剤によって症状が回復する可能性はあるものの、何回もじんま疹が現れ、再び通院する可能性があるためです。

じんま疹の病院選びのためのチェックリスト

チェックリスト

じんま疹の病院を選ぶときには、以下のようなポイントを参考にしてみてください。

  • アクセス
  • 治療の内容
  • 医師との相性
  • 病院の評判

じんま疹に関しては、症状が現れた段階で早めの治療ができるかどうかも大切な要素となります。
じんま疹が発症する理由は、皮膚の異常だけでなく、他の病気がきっかけとなることもあるためです。

また、医師とのコミュニケーションは内服薬を定期的にもらう場合は気にする必要があります。
専門医などであれば判断を間違えることはないものの、患者の意見を全く聞かない医師とは話すだけでストレスとなるためです。

例えば「いつもと違う」と訴えてもしっかりとした対処を行ってもらえない場合などは、病院を変えることを考えてもいいでしょう。

まとめ

じんま疹は誰でも起こり得る病気です。ストレスなどが原因となることもあるためしばらくすれば、自然治癒するというパターンもあり得るでしょう。

しかし、アレルギー性のじんま疹や特定の病気が原因で発症を繰り返すなどの場合、速やかに原因をつきとめ対処していく必要があります。

そして、病院を選択する場合は、まずはアクセスから検討し、次に治療内容、最後に医師との相性を判断していきましょう。

内服薬によって症状はすぐに治まる可能性があるものの、繰り返し発症している場合、頻繁に通うことになります。
加えて、蕁麻疹の原因によっては、皮膚症状だけでなく、眼症状や腹部症状などが出現することもあるため、本人の症状の訴えにしっかり向き合ってくれる病院を選ぶことが大切です。

以上お読みいただきまして、少しでもじんま疹治療の病院選びの際にお役に立てましたら幸いです。

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