口内炎はどこで相談すべき?失敗しない口内炎治療の病院の選び方|疾患情報【おうち病院】
記事要約
「口内炎ができて食事がままならない」「2週間以上経過したのに口内炎が治らない」「病院はどう選べばよいのか」と悩む方は多いと思います。そこで、口内炎の種類や病院の選び方など、口内炎の治療に役立つポイントを解説しました。
口内炎がいつのまにかできていた、痛みが強く長期間にわたって治らない、どのように病院を選んだら良いかわからない人も多いでしょう。
そこで今回は口内炎の種類やそれぞれの病院の特色など、例を挙げながら口内炎の病院選びに役立つポイントをみていきます。
口内炎とは
口内炎とは、頬・唇の裏・のど・舌など口の中の粘膜に炎症が起き、痛みや不快感を引き起こす症状です。
口内炎はひとつでなく、一度に複数個できる、場合によって痛みが長引くこともあります。
口内炎ができている間は、痛みのために食事が摂りにくい・会話が面倒になるなど生活をする上で苦痛を伴うことも少なくありません。
また、口内炎の多くは数日から10日ほどで自然に治ります。
口内炎の原因
口内炎の原因は大きく分けて3つあります。
1つ目はビタミンB群の不足による栄養不良やストレス、睡眠不足、免疫力の低下です。
栄養バランスの悪い食事や不規則な生活が続くと、口内炎になりやすいといえます。
2つ目は入れ歯や虫歯・口腔粘膜の損傷といった外的刺激も口内炎発症の要因です。
例えば、自身の歯で口内を噛んでしまった際にできる口内炎も外的刺激による発症に含まれます。
3つ目はヘルペスウイルスや真菌といった、ウイルスや細菌による感染が原因でも口内炎は発症します。
免疫力の低い乳幼児やストレスや疲労で体力が落ちている人が感染しやすいため、注意が必要です。
その他に、頻度は低くなりますがベーチェット病や口腔がん、自己免疫性疾患である天疱瘡、類天疱瘡などでも難治性で再発の多い口内炎を認めるため注意が必要です。
口内炎の病院を受診するタイミング
口内炎の多くは数日から10日ほどで自然治癒するケースが多いことから、症状が2週間以上続く場合は病院を受診するタイミングとなります。
また、2週間経過していなくても、以下の状況になった際は病院の受診がおすすめです。
- 短期間で何度も口内炎が再発する(違う箇所も含める)
- 会話や食事に支障がある
- 口内炎が大きくなっている
- 口内炎が同時多発する
- ただれ・腫れ・しこりがある
とくに何度も繰り返す場合などは、自然治癒は難しいパターンもあるため、早めに受診が必要です。
口内炎の検査
口内炎は、見た目・症状・経過などによって原因を探ることが可能です。
その結果、ウイルス感染や自己免疫疾患が疑われる口内炎の場合は血液検査を行い、ウイルスの抗体価・自己抗体などを検査します。
菌の感染や天疱瘡、類天疱瘡が疑われる場合は口内炎周辺の組織を採取し、培養検査や病理組織検査を行い原因を探っていきます。
また口腔がんの可能性を疑う時には、生検やCT・MRI検査なども行います。
口内炎の種類
口内炎はアフタ性口内炎、外傷性口内炎(カタル性口内炎)、ヘルペス性口内炎、カンジダ性口内炎の大きく4つに分かれています。
それぞれの特徴や原因をみていきましょう。
《1》アフタ性口内炎
アフタ性口内炎は、円形または楕円形をしていて色は白もしくは黄色の膜で覆われています。
浅いくぼみの潰瘍となったうえで、周りが赤くなった状態です。
アフタ性口内炎は口内炎の中でもっとも一般的といえます。
頬の内側・舌・歯茎にできやすく、痛みが出て飲食物がしみるといった特徴が挙げられます。
アフタ性口内炎の大きな原因は免疫力の低下です。
食生活の乱れや不規則な生活が原因で口内炎ができやすい状態となる点に注意しましょう。
女性はホルモンバランスが乱れる生理前や妊娠中にできやすい点もアフタ性口内炎の特徴です。
《2》外傷性口内炎(カタル性口内炎)
外傷性口内炎(カタル性口内炎)は、外的な刺激によって粘膜が傷ついてできる口内炎です。
口内が傷ついた状態の時に細菌が繁殖することで、びらん・潰瘍ができます。
口内が傷つく原因として、自身の歯で噛んでしまう・入れ歯の器具が当たってしまうことなどが挙げられます。
また、虫歯があることや、歯磨きを正しく行えていないために口内の細菌が多い状態も、外傷性口内炎を悪化させやすい環境です。
ちなみに、火傷などでも外傷性口内炎の原因となるため、とくに子どもや年配の方は注意が必要です。
《3》ヘルペス性口内炎
ヘルペス性口内炎は、ヘルペスウイルスに感染することで発症する口内炎で、乳幼児に多く見られます。
口内炎の原因となるウイルスは、単純ヘルペスウイルス・水痘帯状ヘルペスウイルス・A群コクサッキーウイルスなどがあります。
ヘルペスウイルスに初感染すると、高熱が出る・リンパが腫れるなどの状態が数日続きます。
高熱が続いた後、口内の広い範囲で多数の水ぶくれができ、口内炎となります。
初感染以降は、栄養・睡眠不足、免疫力が低下した時などに口内炎の再発を認めます。
舌や唇や歯茎といった場所以外に、唇の外側やのどの粘膜などに口内炎ができる点もヘルペス性口内炎の特徴です。
激しい痛みを伴い、重い症状になるケースも少なくありません。
症状が落ち着いても、ヘルペスウイルスは体内に潜伏したままです。
そのため、大人であっても疲れがたまっているときなどに再発しやすい口内炎だといえます。
《4》カンジダ性口内炎
カンジダという真菌が増えることで、カンジダ性口内炎は発症します。
カンジダ性口内炎には種類があり、それぞれ特徴が違うためみておきましょう。
カンジダ性口内炎の種類は、粘膜の表面が白くなる「偽膜性カンジダ症」、粘膜の表面が赤くなる「委縮性カンジダ症」があります。
また、カンジダ性口内炎が慢性化すると、粘膜の表面が厚くなる「肥厚性カンジダ症」になる可能性もあるでしょう。
もっとも多い症例は偽膜性カンジダ症で、白い苔のようなものが口内のあらゆるところに発症します。
カンジダ性口内炎になりやすいのは、病気療養中の方・妊娠中の方・乳幼児といった、体力がない人や抵抗力が弱い人です。
口内炎治療の病院の種類
口内炎の治療をする場合に訪れると良い病院の種類を把握しておきましょう。
口内炎の診察ができる病院の種類は、診療所・クリニック・医院や私立病院・総合病院・大学病院です。
口内炎の治療をしているか、事前に公式サイトや電話で確認すると良いでしょう。
《1》診療所・クリニック・医院(耳鼻咽喉科・歯科・口腔外科・内科・小児科)
- 口内炎は耳鼻咽喉科で専門的な診察・検査を受けることが可能
- 口内炎ではなくがんなどの病気が疑われる場合などにも素早い検査や処置をしてもらいやすい
- 歯科・口腔外科では、虫歯・詰め物・入れ歯といった原因で発症する外傷性口内炎での受診での使用がおすすめ
- 口内炎の原因となっている歯の治療・入れ歯の調整が可能
- 治療と定期的なクリーニングを行えば口の中を清潔にしやすい
- 口腔外科の場合は、口内の軽度な異常からがんといった病気の診察や治療が可能
- 口内炎の治療も含めて対処できる内容が多い
- お子さんの場合はかかりつけの小児科で診てもらうことが多い
《2》私立病院・総合病院・大学病院
- 総合的な治療ができる可能性が高い
- それぞれの診療科での連携が取れていればがんなどにも早めに対処できる
口内炎で病院を訪れる場合、既にある程度悪化していることが予想されるため早急な対応が必要となるケースもあります。
そのため、診療所やクリニック規模の病院で検査を受けた後に必要であれば大きな病院で再度受診するほうがスピーディーな治療が可能です。
口内炎の病院選びの際に重視する点
口内炎の治療ができる病院を選ぶ際に、重視しておくべきポイントがあります。
病院選びのポイントにはアクセス・治療内容・専門性のある医師・病院の規模と4つあるため、口内炎の症状や環境と照らし合わせて選択すると良いでしょう。
《1》アクセス
口内炎の病院選びをする場合は、アクセスの良い病院を選択しましょう。
自宅から何時間もかかってしまっては通い続けられない可能性があるためです。
また、駅やバス停から遠い場合、車を運転できないと通院は難しくなります。まずは病院の立地をチェックすることが大切です。
立地に加えて、診察時間や休診日も病院選びの重要なポイントです。
とくに、会社帰りに立ち寄ることを想定した場合も診察を受けやすくなるためです。
立地・時間・曜日といった面から病院を慎重に選びましょう。
《2》治療内容
耳鼻咽喉科・口腔外科・歯科・内科など、どの診療科で診察してもらえるのかは治療内容で選択しましょう。
耳鼻咽喉科であれば検査や処置をしてもらいやすく、歯科であれば口内炎の原因となっている歯の治療をしてもらえるなどそれぞれの特徴が異なるためです。
治療内容を知りたい場合は、公式サイトに掲載されている治療方針を確認すると把握しやすくなります。
公式サイトでは、情報が得られないケースもあるため、気になる場合には病院に直接問い合わせ詳しい話を聞くなどの対応も必要です。
《3》専門性のある医師
口内炎の原因が特殊な疾患によるものであれば、専門性のある医師がいるかどうかも重要です。
多くの診療科で診察を行っているものの、専門性のない医師も在籍している病院もあるでしょう。
適した診察や治療が受けられない可能性があります。
専門性のある医師がいるか、検査の体制は整っているかなどは、病院への問い合わせで確認できます。
専門性のある医師がいるか、診察しているのはいつなのかを聞き、適切に処置してもらいましょう。
大規模な病院や有名な病院の場合、専門家も多いものの、医師の名前などで検索し、論文が出てくるかどうかなども比較対象になります。
《4》病院の規模
セルフチェックなどで口内炎だと判断しても、実際に検査・治療を受けてみると口腔がんや舌がんといった可能性も否定できません。
その場合は、がんの診察や治療ができる大規模な病院での治療が必要となります。
受診したい診療科によっては紹介状が必要となる点に注意が必要です。
公式ホームページなどから受診するための条件をよく確認し、条件を満たさなければなりません。
口内炎の病院選びのためのチェックリスト
口内炎の病院を選ぶときには、以下のようなポイントを参考にしてみましょう。
- アクセスの良さ
- 診察科の選択
- 治療内容の確認
- 専門性のある医師がいる
- 病院の規模
それぞれのポイントを確認する場合、まずは病院の公式サイトを確認し、比較することが大切です。
公式サイトには病院までのアクセスや治療内容、代表者の挨拶、料金なども掲載されている場合があるため、比較しやすい判断材料が揃っています。
公式サイトがない・治療について詳しく書かれていない場合は、電話で尋ねる方法も有効です。
専門性のある医師が担当する曜日や時間についても聞いておき、適した診察や治療を受けましょう。
まとめ
口内炎の治療をする病院選びにおいては、まずアクセス面から絞り込んでいくと良いでしょう。
自然治癒する口内炎の診察や治療は、病院によって大きな差はないといえるためです。
しかし、がんなどであれば、規模の大きい病院でなければ対応できない点もあることは把握しておきましょう。
通院して医師の診察を受けた場合、「入れ歯による口内炎の可能性が高い」「ウイルスによって口内炎ができている」などの原因がわかるでしょう。
その場合、適した病院へ通えば口内炎の治療が可能です。
クリニックなどでは対処できない治療内容の場合、最終的には医師の判断に従って病院を変える必要もあると考えておきましょう。
以上お読みいただきまして、少しでも口内炎の病院選びの際にお役に立てましたら幸いです。