COVID-19パンデミック中の顎の食いしばりと歯ぎしり

記事要約

イスラエルとポーランドの人々を対象とした研究により、COVID-19パンデミックの間、多くの人々がストレスに関連した顔面と顎の痛みを経験していることが分かりました。この研究に関する医療記事を翻訳し、無料公開しております。

イスラエルとポーランドの人々を対象とした研究では、パンデミックの間、多くの人々がストレスに関連した顔面と顎の痛みを経験していることが分かりました。

COVID-19パンデミックによるストレスは、昼間は顎を食いしばり、夜は歯ぎしりをすることで生じる顔面と顎の痛みなど、様々な形で現れる可能性があります。

専門家はこのような行動を総称して顎関節症（TMD）として記述し、歯ぎしりはまた、bruxismとして知られています。

イスラエルのテルアビブ大学 (TAU) からの研究は、イスラエルとポーランドの最初のロックダウン中に、TMD の発生率の大幅な上昇があったことがわかります。

研究は、臨床医学のジャーナルに掲載されています。
筆頭著者は、TAUのサックラー医学部のGoldschleger School of DentalMedicineのAlonaEmodi-PerlmanとIlanaEliであり、次のように述べています。

「私たちの研究は、COVID-19パンデミックの最初のロックダウン中に実施され、顎や顔面の痛み、顎を食いしばり、歯ぎしり - 不安や感情的苦痛のよく知られた症状の顕著な増加を発見しました。」

イスラエルの包括的なロックダウンは2020年3月19日に開始され、研究者は研究のために4月16日から2020年5月20日までの間、国からデータを収集しました。

ポーランドの総合的なロックダウンは3月31日に開始され、研究者は4月29日から5月3日までデータを収集しました。
イスラエルでは700人、ポーランドでは1,092人が調査アンケートに回答しました。

研究では、その影響はイスラエルよりもポーランドの方が強く、回答者はロックダウン中にTMD症状の発生率が34％増加したと報告していたことがわかりました。

イスラエルでは15％の増加でしたが、科学者たちはイスラエル国内でも次のことを発見しました。

研究者らは、TMDの発生率が高いことと、より高いストレスレベルを報告している人々との間に関連があることを確認しました。

この研究では、パンデミックストレスは男性よりも女性の方がTMDの増加を示したことが明らかになりました。

研究者はまた、研究参加者を 18-34 歳、35-55 歳、56 歳以上の 3 つの年齢グループに分け、年齢に関連した違いを調査しました。

最初の 2 つの年齢グループ内のポーランドの参加者は、イスラエルからの個人よりも有意に多くの TMD の症状を示した - それらの症状の増加を経験する確率は数百パーセントで高かったです。

しかし全体的には、研究者は両国の中間グループの人々がTMDの増加を経験する可能性が最も高いことがわかりました。

全体的に最も深い影響を受けたグループは35-55歳の女性でした。

このグループのうち、48％がTMDの症状を持っていると報告し、46％が目覚めている間に顎を食いしばっていると報告し、50％が夜に歯を磨くと述べました。

研究の著者はテルアビブ大学のニュースに語っています。

「我々の調査結果は、中間世代が感じている苦悩を反映していると考えています。彼らは幼い子供がいて、祖父母の助けを借りずに家に閉じこもっていて、高齢の両親のことを心配し、経済的な問題に直面していて、しばしば困難な状況の中で自宅で仕事をしなければならない。」

研究者らは、「コロナウイルスの大流行によって引き起こされた不安、抑うつ、個人的な心配事がTMDとbruxismの有病率を増加させたようだ」と述べています。

彼らは、コロナウイルスに関する絶え間なく変化する状況と継続的な懸念により、「現在と将来に対する不安や心配は一般的であり、避けられないものであった」と記しています。

この研究では、この不安が自宅軟禁、失業、そして「黙示録的なニュース」の絶え間ない流れによってさらに悪化していることを報告しています。

著者らは結論として、この研究にはほとんど疑いの余地がないとしています。

「コロナウイルスの大流行によって引き起こされる精神情動状態の悪化は、ブルキシズムと顎関節症の症状を激化させ、その結果、口腔内の痛みの増加につながる可能性がある」

この記事は、MEDICAL NEWS TODAYに掲載された「Jaw-clenching and teeth-grinding during the pandemic」を翻訳した内容です。